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ワーケーションを活用してリゾートホテルで仕事も|憧れる働き方のメリットとデメリットを解説

新型コロナウイルス感染拡大防止に向け国内ではリモートワーク(テレワーク)が目に見えて普及しています。どこでも仕事ができる環境が整いつつある中、リゾート地のホテルなどで仕事をするワーケーションに興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

ワーケーションは仕事を中断せずに、リゾート地や自然豊かな田舎で一定期間を過ごすことができるというメリットがある一方で、不安要素も少なからずあります。このコラムではワーケーションの現状とメリット、デメリットについて解説していきます。

コロナ禍でテレワークを導入する企業が大幅に増加。ワーケーションの推進に乗り出す。

東京都の産業労働局が2020年6月に発表した「テレワーク導入実態調査結果」によると、従業員30人以上の都内の企業のテレワーク導入率は57.8%となっており、2019年度の調査結果25.1%に比べて2.3倍程度に上昇しています。同発表資料によると、テレワークは大企業だけでなく、中堅・小規模企業にも普及が進んでいるとのことです。また、テレワークを導入した4割の企業は、テレワークを継続する意向をもっており、テレワークの普及は、コロナ禍以降も続くことが予想されます。

テレワークの普及が進んでいることもあり、観光庁はワーケーションを推進しています。ワーケーションは、旅行者、企業、観光産業すべてにおいて混雑回避による感染症拡大防止と、経済活動の活性化というメリットがあると考えられています。

また、東京都では、事業者が宿泊施設をテレワーク利用のために借り上げるための経費や、都内宿泊施設がテレワーク環境を整備するための経費を支援することを2020年10月に発表しています。

ワーケーションのメリットデメリットとは。

ワーケーションのメリットは、旅行者にとっては休暇シーズン以外に旅行に出かけられるということです。非日常のリラックスできる空間でリフレッシュができる上、仕事を中断せずに家族との特別な時間を作ることができます。普段忙しくてなかなかまとまった休暇が取れないという方にとっては、プライベートの時間を変える機会になります。

経営者側も自身でワーケーションに取り組むことでその利点に気づいている方は少なくありません。適度な息抜きで、社員がリフレッシュでき、生産性の向上が期待できます。

観光産業の事業者にとっては、休暇シーズン以外にビジネスチャンスを広げることができます。地域経済が活性化することで観光客だけでなく働く人の呼び込みも期待でき、地方創生に繋がる可能性は十分にあると言えるでしょう。

一方ワーケーションのデメリットもあります。「ワーケーションでは有給休暇を使用するのか?」「会社が借り上げた施設でワーケーションを行う場合、自費負担はかかるのか?」といった権利や費用に関することや、仕事とプライベートの線引きが難しいため、労務管理や労災の適用の有無の判断も難しくなります。また、人事評価における定量評価はともかくとして、定性評価に対する不安は拭えないでしょう。さらに、仕事と休暇の切り替えが難しく「結局仕事に没頭していて休みにならない。」ということは想定できそうです。

ワーケーションではなく、移住を考える人も増えてきている。

国土交通省は新型コロナウイルスの感染拡大防止や働き方の多様化に応えるため、2021年度に在宅勤務用の自宅リフォーム費用の3分の1を補助する制度の創設をめざし、2021年度予算の概算要求に関連経費を計上しました。

また、LIFULL HOME’Sの調査によると、コロナ禍で賃貸物件の問合せ増加率ランキングでは東京23区と比較すると郊外の街が上位に多数登場しています。

このことから、テレワークの普及でワーケーションの利用に留まらず、地方への移住を考えている方も少なくないことが伺えるのではないでしょうか。

さらに、地方の物件を購入する動きもあります。公益財団法人 東日本不動産流通機構の調査によると、軽井沢がある長野県では2020年8月の中古マンションの売買成約件数は14件となっており、山梨県の同売買成約件数は6件となっており、件数こそ多くはありませんが、これは前年比で増えています。

中古戸建てに至っては、同年8月の売買成約件数は、長野県で35件、山梨県は18件でこちらも前年比で増となっています。新型コロナウイルス感染症の影響で経済の停滞が危ぶまれている雰囲気とは裏腹に、不動産の売買は活況な地域もあったといえるでしょう。

8月は休暇シーズンということもあり、バケーションもしくはワーケーションで長野、山梨を訪れた人々が、移住目的の自宅として、もしくはワーケーション目的の別荘として購入に至った可能性は否定できません。

憧れの地方暮らしが現実的に

これまでも、「できれば自然豊かな地方に住みたい」という想いはあっても仕事を変えてまで移住を決断できる人は多くはありませんでした。

しかし、テレワークの普及により仕事を変えずに地方暮らしすることは現実的になりました。ワーケーションは、地方暮らしを試してみる上で一つの方法と言えるかもしれません。

また、2020年12月に「地方移住 住宅に100万円 東京23区居住者、購入でポイント」という記事が掲載されました。このようなニュースからも、地方への移住を後押しする動きは既に始まっていると言えます。

2020年に発生した新型コロナウイルスの広がりでは人が密集することで感染リスクが高まることが再確認されました。都会のこのような問題点を解決するためにも、地方への移住は今後も推進される可能性が高いと思われます。

まずは1度、貸別荘などでワーケーションを試してみることで、地方暮らしの利点を発見してみてはいかがでしょうか。

  • 本稿の内容は2021年2月28日時点の情報に基づきます。
執筆者
遠藤様

遠藤功二

えんどう こうじ

  • CFPR
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)

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