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住宅資金贈与は非課税にできる?住宅ローン控除も併せて解説

住宅取得の話を進めていく中で、「親や親族から住宅資金を援助してもらえそう」という人もいるのではないでしょうか。資金を援助してもらうのはありがたいことですが、税金がかかるのかどうかが非常に気になるところです。今回は住宅資金の贈与が非課税になるパターンや、贈与に伴い住宅ローン控除の扱いがどうなるのかについて解説します。

住宅資金贈与を利用する人はどのくらいいる?

住宅資金贈与を利用する人の割合について見てみましょう。一般社団法人不動産流通経営協会の2019年度「不動産流通業に関する消費者動向調査」によると、調査対象者のうち20.6%の人が「新築住宅購入時に親からの贈与を受けている」という結果が出ています。なお、贈与の平均額は766.9万円です。

住宅資金贈与を非課税にできる?

住宅資金贈与を受けた場合、一定の金額までは非課税にすることができます。非課税になる金額と制度についてはのちほど解説しますが、どのくらいの人が住宅資金贈与の非課税制度を利用したのかを確認しておきましょう。

同調査によると、住宅購入者全体の14.6%が住宅資金贈与の非課税制度を利用しています。「贈与税を支払ってでも多額の贈与を受けるか」「贈与税がかからない範囲で贈与を受けるか」は家族内で検討する必要がありそうです。

住宅資金贈与を利用する前にチェック

住宅資金贈与の非課税枠は以下のようになっています。

  • 消費税10%で取得した場合
住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
2019年4月1日~2020年3月31日 3,000万円 2,500万円
2020年4月1日~2021年3月31日 1,500万円 1,000万円
2021年4月1日~2021年12月31日 1,200万円 700万円

契約締結日によって非課税扱いになる金額が違いますので気を付けましょう。また、省エネ等住宅であるかによっても非課税枠が違います。そして、贈与税の非課税枠を利用するためには条件もあります。主なものをご紹介しますのでチェックしておきましょう。

  • 贈与は父母や祖父母などの直系尊属からであること
    • 配偶者の父母は不可。ただし養子縁組している場合は非課税制度利用可
  • 贈与を受けた年の所得税にかかる合計所得金額が2,000万円以下であること
  • 配偶者、親族などから取得した住宅ではないこと。また、これらの人たちと請負契約を結んで建てたものでないこと
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額をあてて住宅の新築・購入をすること
  • 登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が50m2以上240m2以下。家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が居住用であること

住宅ローン控除との併用について

住宅資金の贈与を非課税扱いで受けたら、住宅ローン控除の対象から外れるのかが気がかりという人もいるのではないでしょうか。結論からいえば、非課税で住宅資金の贈与を受けても住宅ローン控除の対象から外れることはありません。しかし、贈与を受けた際は住宅ローン控除の計算で使う「取得対価の額」が変わる可能性があります。

住宅ローン控除の計算の元になるのは、「住宅ローン等の年末残高の合計額」と「住宅取得等の対価の額」のいずれか少ないほうです。たとえば、住宅取得金額が6,500万円、非課税枠で贈与された金額が2,000万円だった場合、取得対価は6,500万円-2,000万円=4,500万円とみなされます。

もし、住宅ローンの年末残高が4,500万円より多いならば、4,500万円のほうが住宅ローン控除の計算の元になるのです。住宅ローン控除は利用できますが、非課税贈与の金額によっては控除額も変わる可能性があります。贈与を受ける際は気を付けておいてください。

  • 制度について詳しくは国税局のホームページでご確認ください。
  • 本稿の内容は2020年2月3日時点の情報に基づきます。
執筆者
田尻様

田尻宏子

たじり ひろこ

  • 2級FP技能士
  • 証券外務員第一種

株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品の商品説明書等をご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる元本割れなどの固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。

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当行では具体的な税額の計算、および、税務申告書類作成にかかる相談業務はおこなっておりません。個別の取り扱いについては、税理士等の専門家、または所轄の税務署にご確認ください。

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[2024年11月1日現在]