新生グリーン/ソーシャル/サステナビリティ・ローン(ボンド)は、環境・社会課題の改善に資する事業に資金使途が限定されたファイナンスです。
グリーンボンドやソーシャルボンド、サステナビリティボンドについては、国際資本市場協会(ICMA: International Capital Market Association)が「グリーンボンド原則」、「ソーシャルボンド原則」、「サステナビリティボンド・ガイドライン」を公表しており、国内外で指針となっているほか、ローン市場ではローンマーケット協会(LMA: Loan Market Association)、アジア太平洋地域ローンマーケット協会(APLMA: Asia Pacific Loan Market Association)及びローンシンジケーション・トレーディング協会(LSTA: Loan Syndications & Trading Association)が、グリーンローン市場の発展とその秩序を守ることを目的に2018年3月に「グリーンローン原則」(※1)を共同で公表しています。SBI新生銀行もこれらの枠組みに基づくファイナンスの提供を通じてグリーンプロジェクト等をサポートするために、2020年5月に資金の貸し手として「新生グリーン/ソーシャル/サステナビリティファイナンス・フレームワーク」を策定し、これに適合する投融資を積極的に推進しています。なお、本フレームワークについては、関連原則と整合的であること、本フレームワークに定める社内の実施体制が堅固であることについて、株式会社日本格付研究所(JCR)より、第三者意見を取得しています(※2)。
各種ローンの特徴・核となる要素
「新生グリーン/ソーシャル/サステナビリティファイナンス・フレームワーク」では、LMAの「グリーンローン原則」や、国際資本市場協会(ICMA)が公表している「グリーンボンド原則」、「ソーシャルボンド原則」、「サステナビリティボンド・ガイドライン」との整合性を重視し、主に以下の4つの要素から構成される所定の要件を定めています。
1.調達資金の使途 | 調達資金の使途が環境・社会課題の改善に資する事業(グリーンプロジェクトやソーシャルプロジェクト)に限定されること |
2.プロジェクトの評価と選定プロセス | お客さまが資金充当の対象となる事業で実現しようとする環境的・社会的な目標や、プロジェクトが有する潜在的に重大な環境・社会的リスクの特定・緩和プロセス等が説明されること |
3.調達資金の管理 | 調達資金が追跡管理されることで、確実に予定されたプロジェクトに充当されることが確認できること |
4.レポーティング | 資金の充当状況およびプロジェクトのインパクト等について、調達後の定期的なレポーティングを通じて透明性が確保されること |
グリーンローン
グリーンローンは、調達された資金の全額を環境改善効果のあるお取り組みに充当される場合にご利用いただけるローンです。明確な環境改善効果が認められる幅広いお取り組みが対象となりますが、お取り組みに付随して生じるネガティブな影響やその対応状況についても確認させていただきます。
再生可能エネルギー(所定の条件を満たす再エネ発電・送電・蓄電施設の開発建設および運営事業) |
エネルギー効率化(ZEB、ZEH等、省エネ性能の高い建築物の新築、省エネ性能の高い機器の導入等) |
グリーンビルディング(上位認証等を取得した不動産) |
クリーンな輸送(エネルギー効率に優れる次世代自動車等) |
汚染の防止と管理(サーキュラーエコノミーの実現に資する事業、リサイクル施設等汚染防止管理のための施設、汚染物質の排出を抑制する機器設備等) |
気候変動への適応 等 |
ソーシャルローン
ソーシャルローンは、社会課題の対処・軽減を意図する事業やSDGsへの貢献を目指すお取り組み(ソーシャルプロジェクト)への充当に資金使途が限定されたローンです。事業の対象となる人々は、社会的に比較的不利な立場にあるか、基本的サービスを受けられていない人々などが想定されます。
医療(病院、診療所等) |
子ども(保育所、学童施設等) |
高齢者(老人ホーム、介護老人保健施設等) |
障がい者(障がい者向けグループホーム、アクセシビリティ向上事業等) |
災害対応(災害復興関連資金供給等) |
感染症(感染症の症状緩和、拡大防止等に寄与する医療施設および医療関連会社 等) |
サステナビリティローン
サステナビリティローンは、ご調達された資金の使途を、グリーンプロジェクトおよびソーシャルプロジェクトのみに充当される場合にご利用いただけるローンです。資金の充当先としてグリーンプロジェクトとソーシャルプロジェクトの両方が含まれるものが対象となります。
なお、「サステナビリティ・リンク・ローン」とは異なりますのでご注意ください。
お客さまのお取り組みにあたって
「新生グリーン/ソーシャル/サステナビリティファイナンス・フレームワーク」に基づくファイナンスをお客さまが取り組まれるにあたっては、社内で独立性を確保したサステナブルインパクト評価室が、資金使途や資金管理方法、潜在的な環境・社会面への負の影響やその緩和策等を評価し、本フレームワークへの適合性を確認します。
当行での確認に加えて外部評価機関からの第三者評価の取得を希望される場合には、必要に応じてサポートいたします(別途外部評価機関に支払うお手数料が必要となります)。
お客さまのお取り組み実績一覧
※ 実績一覧には、最終期日の到来や早期弁済等により評価対象であるファイナンスが終了した案件も含みます。
※ 評価日以降に発生した評価対象等における状況変化等に応じて、内容を精査の上、弊行が必要と判断する場合、評価を変更・保留したり、取り下げたりすることがあります。