2024年10月31日(木)申込分をもって事務手数料 定額型および安心パックシリーズの取り扱いは終了しました。
住宅ローンを50代で組む場合の注意点を解説
この記事では50代で借りる住宅ローンについて解説します。
20代〜40代の頃は社宅制度や転勤などを理由に住宅購入を見送っていた方でも、50代に入って「そろそろ自宅を購入しておきたい」と考える方もいらっしゃると思います。
50代で家を買うとなると、「この年齢でも住宅ローンは組めるのだろうか」「老後までに滞りなく返済ができるのだろうか」という不安を感じるものです。
結論から申し上げると、多くの銀行では50代前半の方でも50代後半の方でも男性でも女性でも住宅ローンを利用することはできます。
しかし、50代で住宅ローンを借りる際には、将来の収入減少を見込んだ返済計画を立てるなど、いくつかの注意を注意しておいた方が良い点があります。本記事では50代の方が住宅ローンを借りる際のポイントを解説していきます。
50代で住宅ローンを組む場合の注意点
50代で住宅ローンを組む場合、以下のような住宅ローンの審査に関連する点に注意する必要があります。
- 借入期間の制限
- 収入減少の可能性
- 団信加入の可否
借入期間に制限が生じる場合がある
一般的に、銀行は申込時の年齢だけでなく、住宅ローンの完済時年齢を申込条件として定めています。
例えば完済時年齢が「80歳」と設定されている銀行の場合、50歳の方が選択できる借入期間は30年が最長になります。また、50代後半であれば20年程度の借入期間で借りる必要があります。
35年ローンの予定で借入金額を想定して物件選びをしていると、いざ購入となった時に予定の金額が借りられないという事態が起きかねないということです。
役職定年や定年退職などによる収入の減少に注意
勤務先によっては50代後半あたりから役職定年などにより、収入が減少してしまうケースが少なくありません。また、住宅ローンの返済中に定年退職することになる人は、年金生活に変わった後でも住宅ローンの返済が可能なのかを試算する必要があります。
<収入に占める住宅ローンの推移割合イメージ>
また、退職金で住宅ローンを完済しようと思っている方は、以下の点に注意する必要があります。
- 退職金は確実に受け取れるか
- 退職金の金額は具体的に試算しているか
退職金制度が確定給付企業年金(DB)や確定拠出年金(DC)のように社外に積み立てられている制度の場合は、会社の財務状況に関わらず退職金が受け取れる可能性は高いといえます。一方で社内に内部留保型で退職金を積み立てている場合は、勤め先の倒産などで退職金が予定通りに受け取れなくなる可能性があります。
また、退職金の金額は社内平均値などで見積もるのではなく、多少のズレがあるのは前提とした上で積立金額や想定利回りを参考に具体的な金額を計算しておいた方が良いでしょう。退職金を管理している部署に問い合わせをすることで退職金想定額を入手できる場合があります。
団体信用生命保険が利用できない場合がある
50代ともなると持病や病歴がある方はめずらしくありません。多くの銀行では債務者に万が一のことがあった時に、残債が保険金で完済される「団体信用生命保険(以下、団信)」の加入が、住宅ローン利用時の必須条件になっています。持病や病歴がある方は団信に加入することができず、その結果住宅ローンの利用ができないことがあります。
一方で、団信に加入できないからといって全ての銀行で住宅ローンが組めないというわけではありません。金融機関によっては、団信に加入できない方でも利用できる場合があります。
また、いくつかの銀行では「ワイド団信」を取り扱っています。ワイド団信は一定の持病や病歴がある方にまで対象範囲を広げている団信ですが、金利の上乗せが必要になる商品が多い点に注意する必要があります。
疾病保障を利用できないケースは多い
通常の団信に加えて、病気やケガに備える疾病保障の利用を考えている場合はさらに注意が必要です。いわゆるがん保障団信や3大疾病保障団信のような疾病保証付きの団信は40代までの利用に制限されているケースが多く、利用できても保障範囲がせまくなってしまっており、利用時の経済的な負担が大きくなるケースもあります。
例えば、SBI新生銀行の住宅ローンに付帯する「安心パックの中の安心保障付団信」は50代でも60代でも加入審査をクリアできれば利用することができます。
どんなに魅力的な疾病保障サービスでも、年齢条件が厳しく、ご自身が加入できなければ意味がありませんので、疾病保障サービスの年齢制限については注意するようにしましょう。
50代で住宅ローンを組む時に押さえておくべきポイント
50代で住宅ローンを組む際には以下の点を押さえておきましょう。
- 収支のシミュレーションを作成する
- 定年退職時に完済できる範囲で借りる
- 借り換えの計画も視野に入れる
収支のシミュレーションを作成する
役職定年や定年退職により収入が減少した際に、毎月の返済額が手取り収入の何割を占めるかを計算しておきましょう。
例えば下記の例のように収入が減少することで返済額の割合が一定の時期から急激に上昇する場合は、注意が必要です。
A手取り収入(月) | B返済額(月) | 返済額の割合(A÷B) | |
---|---|---|---|
借入時 | 500,000円 | 125,000円 | 25% |
収入減少時 | 300,000円 | 125,000円 | 41.6% |
A手取り収入(月) | |
---|---|
借入時 | 500,000円 |
収入減少時 | 300,000円 |
B返済額(月) | |
借入時 | 125,000円 |
収入減少時 | 125,000円 |
返済額の割合(A÷B) | |
借入時 | 25% |
収入減少時 | 41.6% |
上記の収入減少時のように住宅ローンの返済額が手取り収入の4割以上を占めてしまうと、貯蓄ペースに支障が生じたり、最悪の場合は収支が赤字になってしまうことがあります。
対策として、借入金額を控えめにしておけば、返済額の割合が家計の許容範囲を超える可能性を軽減することができます。また、余裕がある時期に貯蓄をしておき、収入減少時に返済額軽減型の繰上げ返済を行うことも有効です。
A手取り収入(月) | B返済額(月) | 返済額の割合(A÷B) | |
---|---|---|---|
借入時 | 500,000円 | 75,000円 | 15% |
収入減少時 | 300,000円 | 75,000円 | 25% |
A手取り収入(月) | |
---|---|
借入時 | 500,000円 |
収入減少時 | 300,000円 |
B返済額(月) | |
借入時 | 75,000円 |
収入減少時 | 75,000円 |
返済額の割合(A÷B) | |
借入時 | 15% |
収入減少時 | 25% |
A手取り収入(月) | B返済額(月) | 返済額の割合(A÷B) | |
---|---|---|---|
借入時 | 500,000円 | 75,000円 | 25% |
収入減少時 | 300,000円 | 125,000円 | 25% |
A手取り収入(月) | |
---|---|
借入時 | 500,000円 |
収入減少時 | 300,000円 |
B返済額(月) | |
借入時 | 75,000円 |
収入減少時 | 125,000円 |
返済額の割合(A÷B) | |
借入時 | 25% |
収入減少時 | 25% |
定年退職時に完済できる範囲で借りる
上記のように収入減少を鑑みて返済計画を立てておくことは大切ですが、できれば年金生活に入る前に住宅ローンは完済しておきたいものです。
全ての人が公的年金支給開始年齢の65歳にリタイアをするということではありませんので、再雇用や再就職の可能性も鑑みて、具体的に何歳から年金生活に入るのかを決め、完全に退職する年齢までに完済できる計画にすると安心です。
借り換えの計画も視野に入れる
住宅ローンの返済がどうしても年金生活の期間にまで及んでしまう場合は、借り換えをすることで毎月の住宅ローン返済支出を抑えることができる場合があります。多くの銀行では住宅金融支援機構のリ・バース60を活用したリバースモーゲージ型住宅ローンを扱っています。リバースモーゲージ型住宅ローンには以下の特徴があります。
<リバースモーゲージ型住宅ローンの特徴>
- 住宅ローンの借り換えに使える
- 返済期間中は利息のみの返済でよい
一方で、「事務手数料がかかる」「金利は通常の住宅ローンよりも高い傾向がある」などの留意点はありますが、「遺族に自宅を遺す必要がない」「住宅ローン返済の支出を抑えたい」という方には、1つの選択肢になります。なお、リバースモーゲージ型住宅ローンでは、物件の担保価値が借入額を大きく左右します。将来の物件の市場価値にはリスクが伴うので、計画通りの借り入れができないこともあります。
まとめ
男女問わず50代は誰しも老後のことが気になる年齢です。
住宅購入は老後の住まいを確保する手段として有効であることはいうまでもありませんが、将来の収入増が望める20代30代の方々と異なり、50代の方々は収入減少を見込んだ返済プランを立てることが大切です。
最近は多くの銀行でオンライン相談のサービスも設けていますので、悩んだ時は銀行の専門スタッフに相談してみてはいかがでしょうか。
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- 本稿の内容は2021年11月の情報をもとに作成したものです。
株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品の商品説明書等をご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる元本割れなどの固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。
本稿は、執筆者が制作したもので、SBI新生銀行が特定の金融商品の売買を勧誘・推奨するものではありません。
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[2024年11月1日現在]