耐震基準適合証明書とは?そのメリットや注意点についても解説
住宅関連の書類に、「耐震基準適合証明書」というものがあります。名前から「耐震に関するもの」ということが推測できるでしょうが、いつ必要になる書類なのでしょうか。今回は、耐震基準適合証明書とは何か、そしてメリットや注意点についてご紹介します。
耐震基準適合証明書とはどのようなもの?
耐震基準適合証明書とは、住宅などの建物の耐震性が建築基準法で定められた耐震基準を満たしているかを証明する書類です。この証明書は、「耐震基準を満たした建物を建築」「既存の建物に耐震工事」といったとき、自動的に発行されるものではありません。取得したい場合は、申請が必要です。
証明書の申請ですが、建物(住宅)の引き渡し前と引き渡し後で手続きが若干変わります。(証明のために耐震工事をする場合)引き渡し前ならば、以下のような流れです。
- 売買→耐震工事→耐震基準適合証明書の申請と発行→建物引き渡し
引き渡し後に証明書を取得したいのならば以下の通りです。
- 売買→耐震基準適合証明書の申請→建物引き渡し→耐震工事→耐震基準適合証明書の発行
マンションなどの場合、すでに建物が完成済みであったり、追加の耐震工事ができない場合もあるので取得できるかどうか確認する必要があります。
耐震基準適合証明書の申請先と必要な書類
耐震基準適合証明書を取得するための申請先や、必要な書類についても確認しておきましょう。まず、耐震基準適合証明書が発行できる申請先は以下の機関です。
- 指定確認検査機関
- 登録住宅性能評価機関
- 建築士事務所に所属する建築士
- 住宅瑕疵担保責任保険法人
耐震基準適合証明書の申請に必要な書類は、主に以下の通りです。
- 検査登記事項証明書写しもしくは建物登記事項証明書の写し
- 物件状況等報告書
- 台帳記載事項証明書もしくは検査済証の写し
- 販売図面(間取り図)
耐震基準適合証明書の申請には、費用がかかります。金額は、検査機関によって違いますので、比較検討して申請先を決めましょう。また、耐震基準適合証明書の取得には、時間がかかることも覚えておいてください。
こちらも検査機関によって異なりますが、現地での調査もあるため、数週間かかることもあります。そのため、「明日、証明書が欲しい」といってもすぐには作成できないことは留意しておきましょう。
耐震基準適合証明書を取得することでメリットはある?
中古住宅を購入し住宅ローン控除を受けたい場合は、耐震基準適合証明書の取得が必要です。住宅ローン控除を受けられる中古住宅の条件には、以下のようなものがあります。
- 非耐火住宅:築20年以内
- 耐火住宅:築25年以内
これが耐震基準適合証明書を取得すると、築20年超、築25年超の建物でも住宅ローン控除が受けられるようになります。かなりの築年数が経過している住宅を購入するならば、耐震基準適合証明書の取得を検討しましょう。
耐震基準適合証明書取得の注意点は?
先述した通り、耐震基準適合証明書を取得する際は費用がかかります。また、現地での調査などもあるため、「意外に手間がかかる」と感じる人もいるかもしれません。また、証明書はすぐに取得できるものでもありません。「住宅ローン控除のために取得したい」と検討している場合は、慌てないように早めに申請するようにしましょう。
- 本稿の内容は2020年4月2日時点の情報に基づきます。
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[2024年11月1日現在]