住宅ローン審査で必要な場合がある工事請負契約書とは？
主に注文住宅で物件の新築を希望する場合、住宅ローンの審査で「工事請負契約書」の提出を求められることがあります。普段はあまり目にすることのない「工事請負契約書」ですが、今回は実際どのような場合に必要となるのか、またどのような内容が書かれているのか詳しくみていきましょう。
工事請負契約書とは
工事請負契約書とは、家の建築工事を始める前に施工会社と施主の間で交わす契約書です。そのため、工事請負契約書があるのは、注文住宅のように物件を新築する時のみということになります。建売住宅やマンションの購入の場合は、工事請負契約書ではなく「売買契約書」です。
工事請負契約書は必ず書面で交わすという決まりになっており、主に以下の項目が記載されています。押印する前に必ず内容に間違いがないかを確認しないといけません。
- 施工会社、施主の名前
- 代金（総額・税額）
- 支払い方法
- 工期（着工年月日・完成年月日）
- 引渡しの時期
また、住宅ローンを利用して工事代金を支払うのならば、「代金」と「支払方法」も必ずチェックしておいてください。これらの項目には、どのタイミングでいくらずつ代金を支払うのかが記載されています。住宅ローンの融資時期にもかかわることですので、不明点があれば解決しておくようにしましょう。
リフォーム時、工事請負契約書はどうする？
リフォームをする際にも工事が発生するため、施工会社と施主との間で「（リフォームの）工事請負契約書」を交わします。ただしリフォームに関する住宅ローン審査においては、審査時と契約時で提出する書類が違います。
まず、審査時ですが「リフォーム工事見積書」が必要です。主に以下の項目が書かれていることを確認しておきましょう。
- リフォーム業者の正式名称
- 登記上の所在地
- 見積金額およびその明細
審査を通過し、住宅ローン契約の時点になると、「リフォーム工事請負契約書」の提出が必要です。この契約書では、見積書の内容に変更がないかが確認されます。もし、見積もり時点よりも金額が下がっている場合は決定している融資金額が減額されることもあるので注意しましょう。
※金融機関によって必要書類等は異なる場合があります。
借り換えの際も工事請負契約書は用意しないといけない？
住宅ローンを返済している途中に、より条件のいい住宅ローンへ借り換えをすることもあるでしょう。借り換えの場合は、基本的に新築した際の工事請負契約書を提出する必要はありません。ただし一般的に、現在返済中の住宅ローンに関する書類として「返済予定表」などの審査書類は必要となります。
同じ住宅ローンの審査であっても、新築、マンション・建売住宅購入、リフォーム、借り換えで提出書類が異なります。間違いのないようにしっかりと必要書類を確認してから提出しましょう。
- 本稿の内容は2020年2月3日時点の情報に基づきます。
たじり ひろこ
- 2級FP技能士
- 証券外務員第一種
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［2024年11月1日現在］