住宅ローンは何歳まで借りられる?何歳までに完済が必要?
「現役中は転勤が多いので、定年後に自分の家を持ちたい」「35年ローンでゆっくり返済していきたい」など、考えたことがある人はいませんか。
今回は「住宅ローンは何歳まで借りられるのか」「何歳まで完済する必要があるのか」という点について、完済までの計画についても、あわせて解説していきます。
住宅ローンは何歳でも申し込みができる?
どの金融機関の住宅ローンも「申込可能年齢」「完済年齢」が定められています。例えば、SBI新生銀行の場合は以下のような条件です。
- 申込可能年齢:20歳以上65歳以下
- 完済時年齢:80歳未満
住宅ローン自体は、最長35年借り入れることができます。しかし、仮に65歳で契約した場合は、完済時の年齢が80歳未満のため15年未満で返済しないといけません。その点は留意しておきましょう。
さらに、住宅ローンを申し込む場合は、団体信用生命保険(団信)への加入も求められます(一部団体信用生命保険の加入が義務ではない住宅ローンもあり)。ただ、健康状態に問題がある場合や告知項目に引っかかる場合は、団体信用生命保険の加入ができないかもしれません。
団体信用生命保険の加入ができないと、住宅ローン契約ができなくなる場合もあります。そのため、年を重ねてから住宅ローンを申し込む場合は、健康状態にも気を付けておかないといけません。
SBI新生銀行では便利なシミュレーションツールをご用意しております。
住宅ローンシミュレーションこちら!年齢の条件を満たしておけば問題ない?
また、その他の申込条件についても確認しておいてください。特に職業については要チェックです。SBI新生銀行の場合は、申込者の職業を「正社員・契約社員に限る」としています。定年退職後に申し込む場合でも、再雇用などで正社員や契約社員になっているのであれば問題ありません。
しかし、無職の場合は資産がいくらあっても申し込みできないため、気を付けましょう。また、年金収入は定期的な収入となりますが、年金収入のみの場合も申し込みはできません。
完済までの計画もしっかり立てよう!
住宅ローンは一般的に20歳以上65歳以下の人ならば申し込み可能です。どんな年齢で借り入れをする場合でも、完済計画をしっかりと立てましょう。
例えば、30歳時点で長期間のローンを組みたい場合は、35年ローンにすると完済年齢は65歳です。しかし、65歳で契約する場合は80歳までの15年未満が完済期間になります。完済までの期間が短いと「毎月の返済額も増える可能性がある」「希望金額が満額借りられない」といった可能性もあるのです。
また、定年直前に申し込む場合も注意が必要です。「退職金があるから、返済も問題ない」と考える人もいるかもしれません。
しかし退職金は、老後の大切な生活資金でもあります。少なくなると、余裕のある生活ができなくなるかもしれません。「本当に退職金を住宅ローン返済に充当しても大丈夫なのか」、よく考えてからにしましょう。
住宅ローンシミュレーションで返済額を確認しよう
何歳で住宅ローンを借りるとしても、きちんと完済できるかどうか事前にシミュレーションしておくことは非常に大切です。そのため、各金融機関では、「住宅ローンシミュレーション」を提供しています。
例えば、以下のような項目を入力すると、総返済額や年間返済額、毎月の返済額などが計算可能です。
- 希望借入金額
- 借入期間
- 金利
- ボーナス返済あり・なし
住宅ローンシミュレーションを活用することで、毎月どのぐらいの返済が必要かなど、無理のない返済額をイメージできます。住宅ローンの申し込みをする前に、「毎月の返済額に無理がないか」「完済日まで返済し続けることができるか」を必ず確認してください。
親子で住む家を購入する場合のローン
定年前後に家を購入したい人の中には、子どもの世帯と一緒に住むことを想定している場合もあるでしょう。もし、2世代同居の家を購入するための資金であれば、「親子ローンを組む」という方法もあります。
SBI新生銀行では、親子ローンを「ペアローン」として取り扱っています。親子や夫婦など、一定の収入がある同居親族と一緒に、それぞれを主たる債務者として住宅ローンを契約するものです。また、それぞれが相手の債務に対しての連帯保証人となる必要があることも特徴です。
ペアローンでは、住宅ローン契約が2つになるため、団体信用生命保険(団信)の契約もそれぞれに付与します。そのため片方が死亡、もしくは高度障害状態になった場合、その人の分の住宅ローン契約の残債は保険金と相殺できます。遺された人が亡くなった人の分の残債まで支払う必要はありません。
また、住宅ローン控除もそれぞれに受けることができるため、節税効果も高くなります。ただし、以下の点に気を付けましょう。
- 住宅ローンの契約が2本になるため、事務取扱手数料などの諸費用も2本分かかる
- 団信で亡くなった人の残債は支払われるが、残された人は返済を続けなければならない
- 物件は、ペアローンを組む2人で共有する必要がある
- 定年退職をして収入が減ると、住宅ローンの節税効果を活用できない可能性もある
親子ローンについては、こちらもご覧ください。メリットやデメリットについて詳しく解説しています。
シニアのための住宅ローンとは?
「定年退職して安定した収入がなくなったから通常の住宅ローンが組めない」という場合でも、組める住宅ローンがあります。それは住宅金融支援機構の「リバースモーゲージ型住宅ローン」です。
リバースモーゲージ型住宅ローンとは、60歳以上の人を対象とした住宅ローンで自宅を担保にして融資を受けることが可能です。住宅ローンの購入だけでなく、以下の目的でも借り入れが可能ですが、住宅金融支援機構のリバースモーゲージ型住宅ローンは、生活資金に使えません。
- リフォーム
- 現在の住宅ローンからの借り換え
- 建て替え
- 契約者が住み替えるサービス付き高齢者向け住宅の入居一時金
- 子ども世帯などが居住する住宅の建設・購入資金(対象は直系卑属のみ)
毎月の返済は利息部分のみのため、家計への負担が少ない点が選ばれる理由です。ただしリバースモーゲージ型住宅ローンでは、契約者が亡くなった場合、残債を一括返済する義務があります。返済の方法は、以下の2通りです。
- 物件を売却して返済
- 現金で一括返済
現金で一括返済できれば問題ないのですが、売却して返済をする場合は、同居している家族の新たな住まいを考えておくことが必要です。人によっては、新たな住まいの準備に資金が必要なこともあるかもしれません。
また、借入金利が通常の住宅ローンよりも高めに設定されている点にも気を付けましょう。以下はSBI新生銀行の住宅ローンとリバースモーゲージ型住宅ローンの金利を比較したものです。
住宅ローン | リバースモーゲージ型住宅ローン | |
---|---|---|
金利 | 変動金利:年0.65% | 変動金利 借入金額が担保物件評価額の50%以下(長期優良住宅の場合55%以下)の場合:年1.95% 借入金額が担保物件評価額の50%超60%以下(長期優良住宅の場合55%超65%以下)の場合:年2.50% |
- SBI新生銀行の2022年1月現在の金利で比較
完済までの負担を軽くするためにできること
住宅ローンの返済は長い人で30年以上続きます。そのため、できるだけ負担が重くならないように返済計画を立てることが大切です。すでに、住宅ローンを借り入れ中で、返済負担を軽くしたい場合は、次のような手段があります。
1.借り換えを検討する
現在の住宅ローンより条件の良いものが見つかったら、「他の金融機関へ借り換えて負担を軽くする」という方法があります。ただし、誰もが借り換えで負担が軽くなるわけではありません。一般的に、借り換えメリットが出る人の目安は、以下の条件に当てはまる場合です。
- 住宅ローンの残高が1,000万円以上
- 残り年数が10年以上
- 金利差が年1.0%以上ある
住宅ローンを借り換えるときは、新たに事務取扱手数料などの諸費用もかかります。そのため、なるべく諸費用がかからない金融機関を選ぶことも重要です。
住宅ローンの借り換えについては、こちらもご覧ください。借り換えのタイミングやメリット・デメリットについて解説しています。
住宅ローンは借り換えのタイミングが大事!?借換時の注意点も詳しく解説!
2.繰上返済
毎月の返済とは別に、まとまった金額を繰上返済すると元本に充当されるため、利息部分も減らすことができます。繰上返済には、次の2パターンがあるため、住宅ローン契約をする金融機関がどちらを扱っているかを契約前に確認しておきましょう。
返済期間短縮 | 毎月の返済額は変わらないが、返済期間を短くすることができる 利息軽減効果が高い |
---|---|
返済額軽減型 | 返済期間は変わらないが、毎月の返済額を減らすことができる 返済期間短縮型に比べると利息軽減効果は低くなる |
また、繰上返済手数料がかかる金融機関もあります。無料でも「インターネットからの繰上返済手続きのみ無料(店舗手続きは有料)」という金融機関もあるため、注意してください。
なお、SBI新生銀行の繰上返済は利息軽減効果の高い「期間短縮型」です。繰上返済手数料も無料となっています。
繰上返済については、こちらの記事で行うタイミング、メリットやデメリットについても解説しています。ぜひ参考にしてください。
- 本稿の内容は2020年8月の情報を基に作成し2022年1月に更新したものです。
- 2級FP技能士
- 証券外務員第一種
株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品の商品説明書等をご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる元本割れなどの固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。
本稿は、執筆者が制作したもので、SBI新生銀行が特定の金融商品の売買を勧誘・推奨するものではありません。
- 本資料は情報提供を目的としたものであり、SBI新生銀行の投資方針や相場観等を示唆するものではありません。
- 金融商品取引を検討される場合には、別途当該金融商品の資料を良くお読みいただき、充分にご理解されたうえで、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。
- 上記資料は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性をSBI新生銀行が保証するものではありません。
当行では具体的な税額の計算、および、税務申告書類作成にかかる相談業務はおこなっておりません。個別の取り扱いについては、税理士等の専門家、または所轄の税務署にご確認ください。
新着記事
閲覧が多い記事
おすすめ記事
今すぐお申し込み
マイページへ登録済みの方は
こちら
お問い合わせ
ビデオ通話などでの相談をご希望なら
住宅ローン相談住宅ローン
パワースマート住宅ローンについて
- 借入期間は5年以上35年以内(1年単位)、借入金額は500万円以上3億円以下(10万円単位)です。
- 変動金利(半年型)、当初固定金利をご選択された方は、当初借入金利適用期間終了後、変動金利(半年型)が自動適用となります。
- 変動金利(半年型)、当初固定金利を利用されている方は、金利変更時に当初固定金利をご選択いただくことも可能です。ご選択にあたっては、手数料5,500円(消費税込み)がかかります。
- 各金利タイプは、金利情勢等により、やむを得ずお取り扱いを中止する場合もございます。
- SBI新生銀行ウェブサイトにて、借入金額や借入期間に応じた毎月の返済額を試算できます。
- 事務手数料は、借入金額に対して2.2%(消費税込み)を乗じた金額となります。それ以外に抵当権設定登録免許税、印紙税*、司法書士報酬、火災保険料等がかかります。*電子契約サービスをご利用の場合、印紙税は不要ですが、別途電子契約利用手数料5,500円(消費税込み)がかかります。
- ご融資の対象物件となる土地、建物に、当行を第一順位の抵当権者とする抵当権の設定登記をしていただきます。
- パワーコール<住宅ローン専用>、SBI新生銀行ウェブサイトにて商品説明書をご用意しています。
- 当行の住宅ローンを既にご利用中のお客さまにつきましては、当行で借り換えをすることはできません。
- 住宅ローンのご融資には当行所定の審査がございます。審査結果によっては、当初借入金利に年0.10%~年0.15%上乗せになる場合がございます。ご希望に沿えない場合もございますので、あらかじめご了承ください。
[2024年11月1日現在]